少子化に思うこと

世間では、「少子化」が大問題になっていますが、うちの助産所に関しては、「多子化」しています。家庭出産(自宅出産)もだんだんと増えてきていますし、家庭出産を選択するご家庭は、子どもが3人、4人といらっしゃるのも珍しくありません。
もちろん、初産婦さんもいらっしゃいますけれど、また2人目を妊娠しました〜!と来る方も多いのです。

私が思うに、家庭出産すると、子どもを産んで育てるのが楽しくなる!…と。
家庭で産む覚悟をした妊婦さんの時から、妊婦さん自身はもちろん、ご家族も、赤ちゃんと妊婦さんが健康であるように気を遣い、努力します。ママも赤ちゃんも健康!問題なし!でないと、家庭出産はできませんので。
そして、家族で出産に臨み、産後もママと赤ちゃんがゆっくり休めるように、家族で一致団結して協力します。これは、なかなか他にはない機会なので、家族の絆が一層深まります。パパはお仕事を休んだり、ママの代わりに家事をこなしたり、上の子のお世話をしたり、あるいは、お祖母ちゃんが手伝いに来てくれたり。
家族みんなが、赤ちゃんが生まれてくるところから、ずっと一緒にいるので、やっぱり安心ですし、赤ちゃんがすごく愛おしい存在になります。ママは、ずっと赤ちゃんにつきっきりになるので、ちょっと大変かもしれませんが、生まれて24時間くらいまでの赤ちゃんは、ほとんど寝ているので、そんなに手がかからず、ママも一緒に休めるのです。
そして、日に日に変化する赤ちゃんをずっと見ているので、ママも自然と赤ちゃんのことが理解しやすくなりますし、育児に必要な知識や技術(?)を身に付けることができます。もちろん、分からないことや不安なことは、いつでも助産師に相談できますし、ママと赤ちゃんの経過が順調かどうかは、助産師が毎日丁寧に診ていきます。

そんな妊娠、出産、育児を経て、やっぱり次の赤ちゃんが欲しくなるんですね。

妊婦健診の公費負担が大きくなりましたけれど、やっぱり、安心してお産できるような社会にしてほしいです。
それには、自然出産できるような健康な妊婦さんは、どんどん助産師に任せて、産科医はリスクのある、または異常のある妊産褥婦さんを診る、というような協力体制がしっかりできるといいなぁ、と思います。現状では、家庭出産する妊婦さんの健診を受けてくれる産科医も限られており…もっと、どの医師も「ウェルカム!」してくれるといいのですが。
だから、まず国が、「医師と開業助産師の協力体制」をしっかり作ってくれて、医師にとっても助産師にとっても、協力すると楽だったり、なんらかのメリットがある、というふうにしてくれるといいですね。そうすれば、開業助産師ももっと増えると思います。

それから、現代のママさんたちは仕事をしている人が多いので、仕事復帰しやすい社会にしてほしいです。会社の育児休暇は取りやすくなったけれど、認可保育園に預けることが難しくて、なかなか復帰できないことが多いです(東京あたりでは)。かといって、民間の保育園に預けると、保育料が高くて、2人以上の子どもがいると、働いても収入につながらないことになってしまうのです。子どもがたくさんいる方が楽しいけれど、もっと経済的に楽になるような、優遇されるような社会制度にして欲しいです。企業も、子どもがたくさんいる家庭を優遇するようなサービスをどんどん打ち出していけばいいと思うし、そういう企業を国が支援していけばいいですよね。
なんたって、子どもは明日の日本を背負う、国の宝です!国が守らなくて、誰が守る!