妊娠中に行う検査vol.7〜HIV

妊娠すると、ほとんど全ての産院でHIV(AIDS)の検査を勧められます。これは、有効性の高い抗HIV薬が開発され、多剤併用療法という治療法により、現在では長期間にわたってHIV感染者のAIDS(後天性免疫不全症候群)の発症を抑えることができるようになったからです。また、HIVの母子感染も、妊娠中から予防対策をすることで回避できるようになりました。

検査方法(これは、一例です。産院によって、少し異なることもあります。)

  1. まず、スクリーニング検査を行います。この結果が、もし陽性であっても、日本では約95%の妊婦さんは感染していません。
  2. スクリーニングで陽性であった場合は、ウェスタンブロット法(HIV抗体価精密測定)やRT-PCR法(HIV核酸増幅定量精密検査)により、感染確認検査を行う。

治療法

  1. 各地域のHIV/AIDS拠点病院に受診します。(専門医の意見を参考にすることが重要です。)
  2. 妊娠中から抗HIV薬を服用すると、母子感染率は減少します。
  3. 出産は、帝王切開術が勧められます。(赤ちゃんへの感染率が低くなるので)
  4. 赤ちゃんへの感染予防のため、出生直後より、母乳ではなく、ミルクを赤ちゃんに与えることが勧められています。
  5. 副作用などの問題がなければ、出生後6週間、赤ちゃんに抗HIV薬を飲ませます。