発達のポイント

首すわり

もし、3〜4カ月健診あたりでまだ首がすわってないと言われても、厳密にいえば、5カ月いっぱいくらいまでに完成すれば、問題はありません。他の赤ちゃんと比べるのではなく、無事にできるようになること、すなわち運動機能に問題がないことが大切です。
赤ちゃんを腹ばいに寝かせて、背中やお尻をマッサージしてあげたり、遊んであげたりすると、発達が促されますので、生後1か月くらいから、赤ちゃんとの遊びに取り入れてみてください。

首すわりの目安;
1) 腹ばいにすると頭を持ち上げる。
2) あおむけにして両手を持って引き起こすと首がついてくる。
3) たて抱きにして体を傾けたときに首をまっすぐに保てる。

寝返り

赤ちゃんの寝返りは大人の寝返りと違い、まず最初に腰を大きくひねって足を先に寝返りの体勢にしておいて、その反動でクルリと上体を回転させます。満7カ月ごろには90%の赤ちゃんが寝返りを打ち始めますが、寝返りにも個人差があり、遅い子では9カ月になってやっとできたという子もいます。それがこの先の発達に影響を与えるわけではないので、心配しなくても大丈夫です。
 太った赤ちゃんなどは、運動の発達のテンポが標準より少しゆっくりしていることがあります。太っていて、うつぶせになるのが苦しくて、寝返りをしたがらない赤ちゃんとか、なぜか寝返りが嫌いな赤ちゃんもいます。寝返りを始めるのがちょっとくらい遅めでも、あるいは全く寝返りをしなくても、これから先の発達や発育に影響するわけではありません。

お座り

生後4〜5カ月ごろになると、両手を前についてなんとかおすわりの姿勢がとれるようになりますが、まだまだ不安定です。6カ月ごろには、少しの間ならひとりですわっていられる赤ちゃんも多くなります。7カ月ごろになって、ようやく背筋がまっすぐに伸びてだいぶ安定してきます。 そして、8カ月になるころには背筋をまっすぐに伸ばした安定したおすわりができるようになります。おすわりのまま体をひねったり、両手を使いこなせるようになれば、おすわり上級者。このころになると、ねんねの姿勢からおしりを持ち上げて、自力でおすわりできるようになります。

はいはい

おすわりがしっかりしてくるのと並行して、はいはいも上達し、一般的には生後7〜8カ月ごろにはおなかをつけたずりばいでなんとか前進することができるようになります。8カ月を過ぎると、ようやく四つんばいになって足を交互に出すオーソドックスな形の「はいはい」ができるようになります。中には四つんばいのスタイルにならず、おすわりの姿勢のまま、おしりですって器用に移動する赤ちゃんとか、片方の足や腕だけを伸ばしたままはいはいしたりと、はいはいの形がおかしい赤ちゃんもいますが、赤ちゃんの発達は左右同時に進むのではなく、片方の手足が先に発達して、もう片方が遅れているからだと考えられます。このように左右のバランスがとれていないはいはいでも、やがてはいはいの時期を卒業してつかまり立ちや伝い歩きができるようになると、発達には何の影響もなかったことがわかります。
実は赤ちゃんの発達の中では、はいはいできなければいけないものではありません。はいはいを全くしない赤ちゃんでも、将来、足腰が弱くなるというような心配はありません。ただ、はいはいをしない赤ちゃんには、はいはいしやすい環境やきっかけを作ってあげるといいかもしれません。

かまり立ち/立っち

かまり立ちを始めるころには、運動の発達に大きな個人差が出てきますが、これは赤ちゃんの度胸や気質、好奇心によるものがほとんどです。早い遅いにこだわるよりも、その子なりのペースを見守ってあげることが大切です。

伝い歩き

はいはいのときにくらべて、視点がグンと高くなり、今まで目に入らなかったところも見えるようになり、赤ちゃんの世界は平面と上下に広がってきます。積極的な赤ちゃん、慎重な赤ちゃんなど、赤ちゃんの個性によっても早く伝い歩きを始める子、なかなかそこまでいかない子などがいますから、あせらずに赤ちゃんが自然に歩きたがるまで待ってあげることが必要です。
指先もさらにいっそう器用になってきます。軽い扉は押し開け、引き出しはじょうずに引き出します。中のものもみんな引っ張り出すことだってできます。

一人歩き(あんよ)

お母さんがやるべきことは、赤ちゃんの性格を理解して、その子なりの対応をしてあげることです。歩き初めは2〜3歩よちよち歩いては、しりもちをつくの繰り返しですが、たくさんほめてあげるとやる気の出る子もいますし、干渉をきらう子もいます。あんよの上達は、はいはいにくらべて、うんと時間がかかるのが普通です。