帝王切開術の弊害

赤ちゃんの問題

 経膣分娩(下からのお産)の場合では、産道を通る過程で、赤ちゃんの胸が圧迫され締めつけられることで肺の中の羊水が口から吐き出され、空っぽになった肺に十分な空気をとりこめるようになります。しかし帝王切開の場合、赤ちゃんは浸かっている羊水の中からいきなり拾い上げられるため、肺の中の羊水を吐き出すことができず、人為的に肺呼吸を開始させられます。そのため吸引をするのですが、経膣分娩ほど完全に取り除くことはできず、いくらか羊水が肺の中に残ってしまうようです。異常として、「新生児一過性多呼吸」という状態に陥ることがあります。
 

母親の問題

 帝王切開術後は、必ず傷が残り、美容上の問題となります。(人によってはケロイド体質のため傷がはっきりと太く残る方もあります。)
また、ほとんどの方が次の赤ちゃんも帝王切開での出産をすることになります。また、3人くらいまでしか赤ちゃんを産むことができません。
(つまり、癒着が激しくなるので、お腹を切るのは3回くらいまでが限度です。)
帝王切開という、子宮に対する侵襲を行うことで、傷の癒着の問題も発生します。

母子ともの問題として、産後、母と子どもが同じ時間をすぐに過ごすことができません。
 帝王切開は局所麻酔(腰椎麻酔や硬膜外麻酔)で行うことが多いので、たいていはママが赤ちゃんの産声を聞いたり、
生まれたばかりの赤ちゃんの顔を見ることができますし、
希望すれば、手術後に可能な限り早く赤ちゃんを連れてきてくれたり、おっぱいをあげるお手伝いをしてくれる病院もありますが、
やはり経膣分娩後と同じように赤ちゃんと一緒というのは難しいです。