なぜ逆子を直したほうがいいの?

妊娠中の問題

 逆子の場合は、足のつま先や膝、つまり小さくてとがった部分で子宮口付近を圧迫しやすく、破水しやすいリスクがあります。また、お腹も張りやすくなります。
 また、子宮口付近で破水した場合、頭が下になっていれば、赤ちゃんの頭で栓をするような形になりますが、逆子だと羊水がどんどん流れ出しやすく、このときに隙間から臍帯が赤ちゃんよりも先に出てきてしまう「臍帯脱出」になる可能性が通常よりも高いことが言われています。「臍帯脱出」は、へその緒につながれた胎児が窒息してしまう、非常に危険な状態です。

出産に関する問題

 まず、逆子の出産はリスクが高いので家庭出産や助産院での出産はできません。(日本助産師会助産所業務ガイドラインより)
逆子の赤ちゃんを経膣分娩で出産する場合、赤ちゃんの体で一番大きい頭の部分が最後に出てくるので
頭蓋内出血や新生児仮死の危険性が高くなります。その際に、頭と産道で臍帯を挟んでしまい、酸素不足になりやすいために、頭の娩出に時間がかかると新生児の状態が悪くなってしまう危険性があります。
 また、胎児の腕や肩が出てくるときに、鎖骨や上腕骨などの骨折がおこってしまったり、上腕神経叢(ジョウワンシンケイソウ)麻痺といって 肩や腕、手指の神経麻痺をおこしてしまう危険性も高くなります。
 ですから、赤ちゃんが逆子の場合、現在はほぼ帝王切開術による出産になってしまいます。