前期破水について

陣痛が始まる前に「破水」してしまった場合には「前期破水」といいます。(正期産に入る前、妊娠37週未満のこともあります。)
お産のスタンダードな始まり方は、まず、赤ちゃんがお産に向けて下の方に下りてくると、おしるし(産徴)と言って、少量の出血をします。そして、それからすぐの場合もあるし、何日間かかかる場合もあるのですが、陣痛が始まります。破水と言って、赤ちゃんを羊水ごと包んで守っている膜(卵膜)が破れて羊水が出てくるのは、子宮の出口(子宮口)がほとんど開いてからというのが理想的です。
何故、子宮口が開いてから破水するといいかというと、まず第一に、赤ちゃんを守ってくれるからです。
卵膜が破れて、子宮頸管〜膣〜外界と通じてしまうと、雑菌による赤ちゃんの感染が心配になります。そのため、「もしも破水したら、お風呂もシャワーもダメですよ。すぐに病院に来てください。」と医師や助産師に念を押されると思います。また、破水すると、それが刺激になって陣痛が始まることが多いのですが、もしなかなか陣痛が始まらないようであれば、陣痛促進剤などを使って、陣痛を起こしてお産になるようにします。大体、24時間〜48時間以内にお産になるように、という方針の病院が多いと思います。
ですから、一度破水してしまったら、赤ちゃんが生まれてくるまで自然に待つ、ということができなくなります。破水していなければ、弱い陣痛が何日続いても、赤ちゃんが元気で産婦さんの気力があれば待つことができます。
それから、陣痛が始まってからは、陣痛による赤ちゃんへのストレスを羊水がクッションになって和らげてくれます。
また、赤ちゃんが下に下りてくるにつれて、赤ちゃんの頭の先に羊水の水風船のようなものができて(子宮口に赤ちゃんの頭で蓋をするような感じになります)、産道を広げるお手伝いをしてくれます。赤ちゃんの頭で広げるより、水風船で広げる方が産婦さんも痛み方が違います。
ですから、前期破水にならないように、あまり重たいものを持ったり、下半身を冷やしたりしないように、陰部は清潔に保つようにしましょうね!