子宮内胎児発育遅延(IUGR)について

子宮内胎児発育遅延(IUGR)とは?

妊婦健診で、超音波によるお腹の赤ちゃんの推定体重を測定したり、子宮底長(恥骨から子宮の上までの長さ)を測ったりしますが、この結果、一般的な胎児体重と比較して明らかに小さい場合を子宮内胎児発育遅延(intrauterine growth restriction=IUGR)と言います。
IUGRが明らかになる時期は、人によってさまざまです。超音波計測による胎児体重測定は15〜18%の誤差があると言われていますし、診断基準(胎児体重基準値)も目安程度のものなので、その他の所見(お腹の大きさ、羊水量など)や、再検査での経時的変化などから、産科医が総合的に診断します。

IUGRの原因は?

IUGRの原因は、色々考えられ、人によりさまざまです。基本的には、以下の原因が考えられます。

  1. リスク因子(妊娠高血圧症候群の既往、週数に比して小さな赤ちゃんを産んだことがある、喫煙、低栄養など)
  2. 赤ちゃんの病気→超音波検査、必要ならば染色体検査をします
  3. ママの病気(糖尿病、甲状腺機能異常、抗リン脂質抗体症候群など)
  4. 胎盤の機能低下など

IUGRの場合の出産は?

赤ちゃんの推定体重の推移や羊水量、臍の緒の血流、赤ちゃんの心拍モニターなどの検査により、できるだけ赤ちゃんにとっていい時期に、できるだけ赤ちゃんにとってストレスの少ないお産になるように医師が判断します。
赤ちゃんが出産(陣痛)のストレスに耐えられそうにない場合など、帝王切開になることもありますし、もし、経膣分娩になったとしても、赤ちゃんの心拍をモニターしながらのハイリスク出産になります。