乳腺炎

私の勤める助産所にも、よくおっぱいの詰まりで来られるママさんがいらっしゃいます。
今日は、乳腺炎やおっぱいの詰まりへの対処方法を書いてみました。
 
Q.最近乳腺炎が多いと聞きます。ならないように気をつける方法はありますか?
A.赤ちゃんの要求にしたがって、母乳を飲ませましょう。生まれてからしばらくの間は、赤ちゃんとお母さんとの授乳リズムの調整期間です。1時間毎に起きて母乳を欲しがるのは当たり前、と思って授乳しましょう。授乳中、お母さんの体は細切れ睡眠に耐えられるようにホルモンが分泌されます。深夜何度も授乳に起こされる為、普段の生活から考えて「寝不足だ」と思いがちですが、女性の体は上手く出来ているので睡眠不足で倒れる心配はありません。
 ★小さい頃からのスキンシップ=授乳は、後々の育児にも良い影響を与えます。
それから、やはり冷たい物・甘い物・脂っぽい物の取り過ぎに注意しましょう。

Q.乳腺炎になってしまったようです。どうしたらいいですか?
A.まずは授乳と搾乳で治しましょう。乳腺炎は赤ちゃん自身が吸って治してくれます。
 仮に膿汁(黄色い膿)を赤ちゃんが飲んだとしても胃腸に吸収されないので心配はいりません。

  • 乳腺炎の対処法として、次のことがあげられます。

   ・食事…ご飯に味噌汁など、和食を中心とした低カロリーの食事にする。
       甘い物、冷たい物、脂っぽい物、果物は体を冷やしたり乳管を詰まらせたりする原因となるので、控える。
   ・乳房への湿布…里芋湿布、キャベツ湿布、ジャガイモ湿布、アロエ湿布
   ・授乳方法…痛い方の乳房から飲ませる。乳房が張っている場合には手で搾ってタオルに捨てる。
  その他、乳管が開通しやすい効果のあるタンポポコーヒーの飲用をお勧めします。

  • トラブルに気付いたら、できるだけ早めに助産師にお声をおかけください。早期の手当てで治りも良くなります。

 

  • 乳腺炎は、人に気を遣ったり疲れたりしている時に起こりやすいです。また、乳汁のうっ帯をご自分で解消できない時は早めに助産師の手当てを受けてください。
  • 「高い熱が出た、これは大変!」とすぐにでも病院に飛んでいきたくなる方もいらっしゃるとは思いますが、少々待ってください。

病院で処方される抗生剤などの薬は乳腺を硬化させてしまいます。硬化した乳腺からでは、うっ帯した乳汁の排出は困難になります。
まずは、お近くの助産師に乳房の状態を診てもらい、手当てを受けてから、必要であれば病院を受診するといいと思います。
もし、心配で病院を受診して抗生剤などを処方してもらった場合も、一度助産師に乳房の手当てをしてもらうことをお勧めします。
抗生剤などのお薬で乳腺炎の症状が治まっても、乳腺に溜まった古い母乳がしこりになってしまうこともあります。
赤ちゃんのためにも、お母さん自身の身体のためにも、柔らかくて張りのあるきれいなおっぱいを維持しましょうね♪