妊娠中に行なう検査vol.2〜羊水の量

羊水とは?

赤ちゃんを包む膜(羊膜)の中を充たしている液体のことを羊水と言います。つまり、赤ちゃんは羊膜で出来た水(羊水)風船の中にぷかぷか浮いている状態にあります。妊娠初期は無色透明ですが、妊娠末期になると、赤ちゃんの毛や皮脂などが混ざって、乳白色〜淡々黄色くらいになります。羊水は特有の臭いがしますので、破水なのか、尿漏れなのか分からないときに、臭いを嗅ぐと分かりやすいかもしれません。

羊水の役割

☆妊娠中の羊水の役割は・・・

  1. 赤ちゃんの運動を自由にして、手足の発育を助ける。
  2. 赤ちゃん・胎盤・臍の緒に外からの力(衝撃)が加わるのを緩和する。
  3. 赤ちゃんの運動によるママの体への負担を和らげる。

☆お産のときの羊水の役割は・・・

  1. 赤ちゃんの頭の先に、水(羊水)風船ができ、子宮口が開きやすくする。
  2. 陣痛のときに、赤ちゃん・胎盤・臍の緒にかかる圧迫を和らげる。
  3. 出産直前に破水した時に、羊水で産道をきれいに洗い流し、かつ滑りやすくして、赤ちゃんが通りやすくする。
  4. 赤ちゃんが出てくるまで、胎盤が剥がるのを防ぐ。

羊水の量

羊水は、羊膜から分泌されており、これに、だんだんと赤ちゃんのおしっこも加わります(妊娠12週くらいから)。赤ちゃんは、羊水を飲んで、おしっこをします。
妊娠時期によって、量が変化し、また個人差も多いです。妊娠32週頃に最大量となり、お産が近づくとに少しずつ減っていきます。正常量は妊娠末期で100〜500mlくらいです。羊水が500ml以上だと推定される場合は羊水過多、100ml以下と想定される場合は羊水過少、と言って、赤ちゃんの障害の検査が必要になってきます。

羊水の量は、実際に測ることができないので、腹部超音波で測定して推定します。
一つは、羊水ポケットと言って、超音波で子宮腔内の赤ちゃんと子宮の壁の間をはかったときに最も距離が長い場所、つまり羊水が深くたまっている空間のことをいいます。そこの深さをはかって体積を計算し、羊水が多いか少ないかを推定します。この方法ではかったとき、羊水ポケット1cm未満は羊水過少、8cm以上を羊水過多とされています。
もう一つはAFIと言って、ママのお臍を中心に上下左右4つの部分に分けて、やはり子宮腔内の赤ちゃんと子宮の壁との間を測定し、それを足した数値で推定します。(これは超音波の器械が自動的に計算してくれます。)このAFIが5〜24cmだと正常範囲とされています。