家庭出産では会陰切開はすることがありません。

会陰切開とは?

会陰部というのは、肛門と膣の間の部分を言います。赤ちゃんが出生する直前、膣から出てくるときに、赤ちゃんの頭にグッと押し付けられ、皮膚や筋肉が伸びる部分です。
会陰切開とは、赤ちゃんの頭の一部が出てきた頃に医師がはさみで会陰部を切ることをいいます。これは、赤ちゃんが出てくるときに、会陰部がビリッと裂けやすいので、切開であらかじめ出口を少し広げて、大きく裂けないことや、きれいに縫合しやすいことを期待して行ないます。また出産のときに、出口を広げて赤ちゃんを急いで出してあげなければならない状態のときに行ないます。
会陰切開や、裂傷・切開の縫合は、助産師には法的に認められていないので、医師しか行なえません。

切開をしないでも大丈夫。

会陰切開をしないと、大きく裂けるかと言えば、そうとは言えませんし、切開を入れても大きく裂けるときは裂けてしまいます。もちろん、大きく裂けてしまうと、産後しばらく(下手すると1ヶ月近く)は、ママさんはとても痛い思いをしなければなりません。
では、どうすれば大きく裂けないか、と言うと、やはりお産を自然にゆっくりと進めることです。途中でママさんが「もうこの痛み(陣痛)から早く逃れたい!」と赤ちゃんを産むことを焦ったり、最後の赤ちゃんが出てくるところで、うんと強くいきんでしまって、赤ちゃんが飛び出すように生まれてくると、大きく裂けやすいです。
お産を手伝っている助産師(あるいは医師)のかける声に耳を傾けて、そして赤ちゃんの出てくるスピードを感じて。ゆっくりゆっくり、産んであげると、会陰部の皮膚や筋肉も十分に伸びるので、大きく裂けることはありません。(ただし、母子の状態が安定していて、お産を急がなくていい時に限ります!)ですから、家庭出産したママさんたちも、大きく裂けることはあまりなく、縫合もすることがありません。

切開しなくても済むように。

基本的に、会陰切開はあまりしませんよ、という医師でも、やはり状態によっては切ることもあります。そうならないように、妊娠中から次のことに心がけましょう!

  1. 体重を適当な増加で抑える。赤ちゃんや産道に脂肪が付きすぎると、赤ちゃんが出てきにくく=出口が裂けやすくなります。
  2. 普段から健康的な生活リズムや食生活を心がけて、ママも赤ちゃんもベストな状態でお産に臨めるようにする。
  3. 妊娠34〜36週くらいから、スイートアーモンドオイルやカレンデュラオイル、オリーブオイルなどで会陰部のマッサージを5〜10分/日行なう。