新生児のケアvol.1〜新生児黄疸

赤ちゃんが生まれて、お家でママさんとパパさんがお世話していくときに、注意してもらいたいことの一つに「黄疸」があります。もちろん、病院で出産された方も、退院してからは、ママさんとパパさんが赤ちゃんをみてあげなければなりませんね。

新生児黄疸とは?

新生児黄疸とは、一言で言うと、赤ちゃんのお肌が黄色くなります。9割近くの赤ちゃんが、生後5〜7日目をピークに黄色くなるので、「新生児黄疸」と言いますが、これは病気ではなく、赤ちゃんの生理からすると、起こって当たり前のことです。出生後、未熟だった赤ちゃんの肝臓の機能が出来上がってくると、徐々に消えていき、生後2週間くらいで消失します。
生後3〜4週間経っても黄疸が消えない場合は、「母乳性黄疸」と言って、母乳を飲んでいる赤ちゃんに見られることが多いですが、1ヶ月健診などで他の原因(病気)がないか確認してもらう必要があります。もし、「母乳性黄疸」で赤ちゃんも元気な場合は、そのまま母乳を飲ませ続けても大丈夫です。数ヶ月経つと、自然に黄疸も消失します。
血液型不適合妊娠の場合や、あまりに黄疸が強い場合、黄疸が長引く場合(母乳性黄疸を除く)などには、治療が必要になります。オムツだけで裸のまま、青い光(紫外線)に当てる光線治療や、重症のときには交換輸血をします。

どうして黄疸が出るの?

血液の中にある、赤血球という酸素や二酸化炭素を運んでくれる重要な成分があります。赤血球は寿命が来ると壊れて、どんどん新しい赤血球と交代していきます。赤血球が壊れるときに出来る、「ビリルビン」という黄緑色の色素が、黄疸のもとになります。
健康な大人の場合は、ビリルビンは肝臓で処理されて、便と一緒に排泄されてしまいます。赤ちゃんの場合は、まだ肝臓の働きが未熟なのと、赤血球の寿命が早いので(大人は約120日、赤ちゃんは約90日)、ビリルビンの処理が追いつかず、血液中のビリルビンが多くなり、皮膚や白目が黄色くなってしまいます。

家庭では、どんなことに注意したらいい?

病院を退院した時、あるいは最後に医師や助産師に赤ちゃんを診察してもらった時から、皮膚や白目の黄色い感じが強くならないかどうか、気をつけてあげてください。どんどん強くなるようでしたら、小児科医に診てもらう必要があります。
おっぱいやミルクをたくさん飲んで、黄色、あるいは緑がかったウンチもたくさん出ていれば、まずは安心、ということが多いです。白いウンチが出るときには、要注意!すぐに病院を受診してください。ウンチが黄色いのは、ビリルビンがウンチと一緒に排泄されているからです。ですから、白いウンチのときには、ビリルビンがちゃんと出て行っていないことになります。
もし、赤ちゃんが黄色っぽくて、ちょっと気になるときは、休憩や水分補給をしながら10分くらいずつ、日光浴をしてあげてください。太陽光に当てると、紫外線がビリルビンを分解してくれます。お部屋を温かくして、できるだけ裸で太陽の光がなるべくお肌にたくさん当たるようにしてあげると効果が高いです。赤ちゃんが熱くなりすぎないように、夏は特に、長時間にならないように気をつけてあげてください。