浮腫(むくみ)対策

妊娠高血圧症候群〜こわい病気です!

妊娠高血圧症候群は、高血圧・尿蛋白・浮腫などの症状が出る、妊娠中で最も怖い病気の一つです。以前は「妊娠中毒症」と言われ、今でもそちらの名称の方がなじみがあるかもしれませんが、2005年に名称と定義が変わりました。妊娠後期から症状が出て来くることが多いですが、早めに出る人ほど、重症になりやすいです。
母親学級や妊婦健診で、医師や助産師に「体重を増やしすぎないように」「塩分は控えめに」と、うるさく言われることと思いますが、これは「妊娠高血圧症候群」を予防するためです。
多少、体重が増えすぎても(1週間で500g以上増えると増えすぎといいます)、血圧がいつもどおり(正常)で、浮腫みもなく、尿蛋白もマイナスならば、そんなに心配はいらないのですが、尿蛋白が出たり、浮腫みが出ていると、危険信号です。
これで、血圧が高くなっているようであれば、「妊娠高血圧症候群」ということで、リスクのとても高い妊娠・出産になってしまいます。赤ちゃんには栄養や酸素が行き届かなくなり、ママさん自身の体も、とても危険な状態なので、できるだけ血圧を正常値に近づけるように、降圧剤を内服したり、安静にしたり・・・ひどければ、大きな病院で入院することになります。本当に重症な場合は、できるだけ赤ちゃんが無事に早く出てこれるように(赤ちゃんがお腹の中にいると、赤ちゃんもママも危険なので)、産科医が緊急帝王切開を決定します。重症でない場合も、やはり出産自体はリスクの高いお産になります!


と、怖い話ですが、今日はその危険信号の一つである、むくみ対策を載せてみます。これは、妊娠高血圧症候群の予防にもなりますよ!

むくみ対策

マッサージや足を高くして寝ることがよく知られています。これは、一時的に浮腫みを軽くしてくれますが、やはり原因は体の内側にありますので、お食事や生活の改善に力を入れましょう。

  • バランスの良い食事、規則正しい食生活をする。野菜や海草、乾物をたくさん取り入れた和食中心のお食事で。塩分は取り過ぎないように、コショウやカレー粉などの香辛料やハーブ、レモンやゆずなどの柑橘類、を取り入れると、塩分を少なくしても物足りなさを感じません。
  • 早寝早起きをする(夜11時までには布団に入ること)。
  • ミネラルをたくさん摂るように心がけましょう。ご飯は、白米だけでなく雑穀を入れて、白砂糖ではなく三温糖や黒砂糖を使うといいです。黒豆も煮汁ごとよく食べると浮腫みをとってくれます。(自分で炊くのがオススメです!)
  • 循環をよくするために、疲れない程度に半身浴をしたり、足浴をする。夏だからと言って、油断せず、冷房などで体を(特に下半身)冷やさないように気をつけてください。マッサージも、自分で一生懸命やると疲れてしまうので、できれば旦那様やプロにやってもらうといいですね。
  • 足元の布団の下に座布団やクッションなどを入れて、足元を高くして寝るようにする。
  • ストレスを溜めたり、ストレスになるような仕事をしない。