育児不安

2006年、2007年と2年連続で合計特殊出生率合計特殊出生率とは、人口統計上の指標で、一人の女性が一生に生む子供の数を示す)が上昇したとはいえ、まだ1.34とかなり低く、出生数そのものは減少しています。
そして、少子化とともに、孤立した母親たちの「育児不安」「乳幼児・児童虐待」が大きな社会問題となっています。
私も、初めての赤ちゃんのときは、なぜか泣いてばかりいる赤ちゃんを一日中抱いて、家事もなかなか進まず途方にくれた時期がありました。
夫は、深夜に帰って来る日がほとんどで、引っ越したばかりで友達もいなくて、家の中で赤ちゃんと二人きり・・・精神的に追い詰めれられ、泣いている赤ちゃんが憎らしく感じることもあった気がします。
今では、3人の子の母になり、赤ちゃんがどれだけ泣いても、ただひたすら可愛い!と思うようになりましたが・・・(そうすると、不思議と赤ちゃんもあまり泣かない子になりますね?)
人は孤独であったり、不安であったり、精神的に追い詰められると、どんどん悪い方へと落ち込みやすいですよね。
少子化対策も大切ですけれど、生まれてきた子どもたちが心身ともに健やかに成長できるような社会にしないと意味がないですよね。

世間では、こんなに少子化が問題視され、少子化対策が求められている状況ですが、私の勤める助産所では、ご家族にとって、3人目あるいは4人目の赤ちゃんが生まれることは珍しくありません。
出産は、命がけで大変なことですけれど、同時に、新しい家族を迎えられる、嬉しくて楽しいことでもあります。
ママとパパと、その家族と・・・みんなで元気な赤ちゃんが生まれるように願って、元気な赤ちゃんを産めるようにママを励まして協力して、生まれてきた赤ちゃんを可愛がって、ママをいたわって・・・
そうして、家族みんなで赤ちゃんを迎えると、自然と育児も一緒になって取り組んでくれますし、ママも孤立感を味わわずにすみます。
そんな家族に囲まれたママさんは、育児の苦労はそれなりにあっても、子どもたちをとても可愛がり、育児不安を訴えることがありません。

そんなママさんたちやそのご家族を見ていると、やっぱり、妊娠中から家族(特にパパさん)にも、赤ちゃんがママのお腹の中で健やかに育つよう、また、無事に生まれてきてくれるように、ママさんと一緒に協力して取り組んでもらうことが、大変重要なことだと感じます。

助産師として、「妊娠中から家族を中心に」したケアをしていけたらいいなぁ、と。そうしたら、みんな、子どもがたくさんいるのも楽しいと感じてくれるようになるのではないかと思います。