消毒は必要ない?

昔は、傷の手当てには、「まず流水で洗って、消毒して、ガーゼや絆創膏を当てる」という事をしていましたが、数年前から、「流水でよく洗った後、消毒などはせずに、皮膚保護材で覆う」という治療法に変わってきました。消毒したり、ガーゼを当てたりすると、かえって皮膚の再生に必要な細胞を殺してしまい、治癒を妨げてしまう、しかも痛い!ということが分かってきたのです。
新しい治療法の方が、傷の治りが早く、痕も残りにくく、しかも痛くないんですね。
…と、ここまでは私も知っていたのですが。

先日、風邪をひいてしまった妊婦さんをかかりつけの病院に診てもらった時に、医師に「喉が痛いそうなので、イソジンでうがいしてもらいましょうか?」と聞いたら、「消毒薬は、かえって粘膜を傷めるから、うがいするなら水道水がよい。」とのご返答…え!そうなんですか?とびっくりしました。(緑茶でのうがいなら、もっと良いですよ!)
最近は、手術のときも、消毒薬を使わず、水道水で洗い流すことが検討されているそうです。もちろん、小さなゴミや異物が残っていてはいけないので、十分に洗うことが必要ですが、滅菌水などではなく、水道水で十分清潔だそうです。
生まれたての赤ちゃんのお臍も、何年か前までは、「沐浴の後に消毒して、乾燥させるための粉をふって、ガーゼで覆って、テープで止める」ということをしていましたが、「ガーゼで覆うと乾燥を妨げる」「粉をふると、かえって不潔になる」ということで、だんだんとお臍の処置の仕方も変わってきました。最近では、「赤ちゃんのお臍には何もしない」病院もあります。消毒する必要がない、かえってトラブルの元になる、ということだそうです。
そういえば、手術後の創の消毒も、昔は外科病棟では毎日の日課でしたが、今は必要ない、とされていますし…

何でも、消毒、殺菌、と薬を使わず、自己治癒力を大切にしなければならないんですねぇ。
薬を使わず、食べ物や身近なもので工夫する民間療法や、「おばあちゃんの知恵」も、案外、最新の治療法&予防法なのかもしれません。